ウォーターサーバーで飲む天然水は取水する季節によって味の変化は起こらないのですか?。

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ウォーターサーバーで飲む天然水は取水する季節によって味の変化は起こらないのですか?。

私たちがウォーターサーバーで飲む天然水は、その変化を最小限に抑え、一年中安定した味を提供するよう、メーカーが徹底した品質管理を行っています。

季節による天然水の変化

天然水の水源は、地下水や湧き水です。これらの水は、降雨量や気温の変化によって、以下の点でわずかな影響を受けることがあります。

  • 水温: 夏は水温が上がり、冬は下がります。この水温の変化が、水の口当たりに微妙な違いを生むことがあります。
  • ミネラルバランス: 大雨が降った後などは、地中のミネラルがより多く水に溶け出すことがあります。逆に、冬の乾燥した時期は、ミネラル濃度がわずかに変わることも考えられます。

ウォーターサーバー各社の品質管理

しかし、ウォーターサーバーメーカーは、この自然な変化をコントロールし、いつでも同じ「おいしい」天然水を届けられるように様々な工夫をしています。

  • 厳しい採水基準: 多くのメーカーは、特定の水源からのみ水を採水しています。この水源は、地質や環境が安定しており、外部の影響を受けにくい場所が選ばれています。
  • 非加熱処理とろ過: 採水された天然水は、細菌などを除去するために、ごく短時間で加熱殺菌したり、フィルターでろ過したりします。この処理によって、季節による味のブレをなくし、安定した品質を保っています。
  • 定期的な品質検査: メーカーは、定期的に水の成分を分析し、ミネラルバランスが一定の基準を満たしているかを確認しています。もしわずかでも基準から外れた場合は、出荷を停止するなど、厳格な管理体制を敷いています。

結論として、天然水は自然の恵みであるため、科学的には季節によってわずかな変化はあり得ます。しかし、ウォーターサーバーメーカーがこれらの変化を徹底的に管理しているため、私たちが日常的に飲む分には、季節による味の違いを感じることはほとんどないと言えるでしょう。


「自然な変化のコントロール」という言葉は、誤解を招くかもしれません。ウォーターサーバーメーカーが天然水に行っているのは、人為的な物質の配合ではありません。

メーカーが行っているのは、自然の状態を保ちながら、安全性を確保するための処理です。具体的には、以下の二つの工程が中心となります。

  1. ろ過(不純物の除去): 水源から採水した水は、砂や土、微細な沈殿物などを含んでいる可能性があります。これを高品質なフィルターで丁寧にろ過し、不純物を取り除きます。これは、水道水でも行われている一般的な処理です。
  2. 加熱殺菌または非加熱処理: 水中の微生物を殺菌するために、ごく短時間で加熱殺菌を行います。一部のメーカーでは、熱を加えない「非加熱処理」として、特別なフィルターを使って除菌を行っています。これにより、天然水に含まれるミネラル成分を損なうことなく、安全な状態に保ちます。

これらの処理は、天然水本来の味やミネラルバランスを保ちながら、季節や環境に左右されない安定した品質と、高い安全性を確保するために不可欠なものです。

つまり、メーカーは水を「作り変える」のではなく、自然の恵みをそのままに、「安全に保つ」ための管理を行っているのです。


特定のブランドを例に、天然水の品質を安定させるための普遍的な方法をご説明します。

今回は、天然水にこだわりを持つフレシャスを例に挙げ、その具体的なプロセスを見ていきましょう。


フレシャスの非加熱処理システム

フレシャスは、天然水本来のミネラル成分や風味を保つために、熱を加えない**「非加熱処理」**を採用しています。この方法が、季節による味の変化を抑え、安定したおいしさを保つ鍵となります。

1. 徹底した衛生管理

  • 密閉された採水環境: フレシャスが採水する富士山・木曽・朝霧高原の水源地では、空気に触れることなく、パイプラインで直接工場へ送られます。これにより、外部からの不純物混入を徹底的に防ぎます。
  • クリーンルームでのボトリング: 水をボトルに詰める作業は、医薬品や食品工場でも使われる「クリーンルーム」で行われます。これにより、空気中の微細なチリや細菌の混入を最小限に抑えます。

2. 特殊なフィルターによるろ過

  • フィルターの多層ろ過: 採水された水は、まず複数のろ過フィルターを通過します。これにより、地中から流れ出た微細な砂や、その他の不純物が取り除かれます。
  • 特殊な除菌フィルター: フレシャスが独自に開発した「無菌エアフィルター」を通して水をろ過することで、熱を加えることなく細菌を除去します。これにより、水の風味を損なうことなく、高い安全性を確保しています。

3. 継続的な品質検査

  • 毎日行う水質検査: フレシャスの工場では、毎日、採水した水の成分を詳細に分析し、ミネラルバランスや安全性を確認しています。
  • 第三者機関による検査: 外部の専門機関にも定期的に検査を依頼し、安全性のダブルチェックを行っています。放射性物質検査も厳格に行っており、高い透明性を保っています。

これらのプロセスは、水を「人為的に加工する」のではなく、「自然の恵みをそのままに、安全に保つ」ためのものです。メーカーは、このような厳格な品質管理体制を敷くことで、お客様がいつでも安心して、同じおいしさの天然水を飲めるようにしているのです。

フレシャスの例は、ウォーターサーバー各社が天然水の品質を安定させるために行っている普遍的な方法を代表しています。他のブランドでも、同様の、または独自の厳しい基準を設けています。


他のブランドの品質管理方法と、天然水とRO水の違いについて、さらに詳しくご説明します。

ウォーターサーバーの市場では、天然水とRO水という、大きく2つの種類の水が流通しています。それぞれの特徴と、メーカーが行っている品質管理は全く異なります。


天然水の品質管理:自然の恵みを守る

天然水を提供するメーカーは、採水からボトリングまで、自然の風味を損なわないよう細心の注意を払います。

ブランドの例:フレシャス、コスモウォーター

  • 非加熱処理: フレシャスが代表的ですが、特殊なフィルターでろ過・除菌を行い、水本来のミネラルバランスと口当たりを保ちます。この方法では、熱を加えないことで、天然水が持つデリケートな風味や成分を守ることができます。
  • 徹底した衛生管理: 水源地と工場が隣接しており、パイプラインで直接水を引くことで、空気に触れる時間を最小限に抑えます。ボトル詰めはクリーンルームで行われ、微生物や不純物の混入を防ぎます。
  • 定期的な水質検査: 毎日、水源地の水質をチェックし、ミネラル成分や安全性を厳格に管理します。

天然水メーカーの品質管理は、いわば「自然の恵みをいかにして、安全な状態でユーザーに届けるか」に特化していると言えます。


RO水の品質管理:水を「究極にきれいに」する

一方、RO水は、天然水とは全く異なるアプローチで水を作ります。

ブランドの例:アクアクララ、アルピナウォーター

RO水は、水道水や地下水などを原水として、RO膜(逆浸透膜)という特殊なフィルターでろ過して作られます。

  • RO膜のろ過: RO膜は、0.0001ミクロンという超微細な穴が開いたフィルターです。これは、ウイルスや細菌はもちろん、ミネラル成分までほぼすべて除去するほどの精密さです。
  • 不純物を完全に除去: RO膜を通すことで、水中のミネラル成分、化学物質、ウイルス、細菌、そして放射性物質までも除去され、究極に純粋な「H₂O」に近い水になります。
  • ミネラルの調整: 水道水に含まれていたミネラルがすべて除去されるため、メーカーによっては、飲みやすくするために後から人工的にミネラルを添加することがあります。

RO水メーカーの品質管理は、「水を究極に純粋で安全な状態にする」ことに特化していると言えます。

天然水とRO水の違いまとめ

天然水RO水
原水特定の採水地(地下水、湧き水など)水道水、地下水など
製造方法ろ過・除菌、非加熱または加熱殺菌RO膜で徹底的にろ過
ミネラル成分水源地本来の天然ミネラルほぼゼロ(後から添加する場合も)
価格帯RO水に比べて高価な傾向天然水に比べて安価な傾向
水源地によって異なる風味や口当たり無味無臭でクセがない

どちらの水が良いかは、個人の好みや目的によって異なります。

  • 天然水: 水本来の風味やミネラル成分にこだわりたい方、赤ちゃんのミルクや料理に活用したい方。
  • RO水: とにかく安全性を最優先したい方、水の味にクセがない方が好きな方。

ウォーターサーバーを選ぶ際は、これらの違いを理解し、ご自身のライフスタイルに合った水を選ぶことが大切です。